喫茶去

戦国時代、武将たちがいざ決戦に向かう前に、
戦地にしつらえられた仮の茶室で、
その時だけは刀を外し、お茶を一服、供されたそうです。

その茶室に見立てられた空間は、
肩を触れ合わせるくらいの「間」しかなく、
武将たちは、生きている間に戦いを忘れられる、最後の一時になるかもしれないその一服のお茶を、
大変喜んだということです。

この話は、古武術の稽古中に「間合い」について師範から受けた説明の中に出てきた話で、
要は、相手がどんな技をかけてきても届かない「間合い」から
届く「間合い」に入って行くときに、
意識が切り替わる=相手に対する緊張が生まれる
境界線がある。

そういう間に敢えて自分を置くことは、相手への絶対的信頼がなくては出来ず、
そうした、普通なら「戦闘態勢」であるはずの「間」を、それを持ち込ませない「間」に替えることが
「おもてなし」だという、師範からのお言葉も。

「喫茶去」とは「一期一会」に似て、
この一服のお茶を共にした一瞬後には命を落とすかも知れないが、
だからこそ、その一服を味わい尽くし、その一時を感じ尽くす。
そんな意味だそうです(禅語)。
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by cembalonko | 2014-06-04 22:48 | 古武道 | Comments(0)