「やさしい訴え」読みました。

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小川洋子著 「やさしい訴え」 文春文庫

ある日、時間を潰すために立ち寄った本屋で、
表紙とタイトルに惹かれ、
思わず手を伸ばしていました。
ほとんど2日間で完読!

物語は、それぞれ心に深い傷を負い、
何かから「かくまわれたくて」林に引きこもる男女3人の、
切なく哀しいラブストーリー。

主人公の別荘や、主人公が恋心を抱くチェンバロ製作者の工房がある、
深い林の中が、物語の舞台。
工房の様子や、チェンバロの描写、そして、なによりも、
言葉で語られた、チェンバロの音色や、奏でられる音楽の「薫り」が、
チェンバロを知る者として、とても快かったです。
ラモの「やさしい訴え」を聴いたことがある方なら、
哀愁を帯びた音の絡み合いが、
このストーリーの音にならないBGMとして、
心の中にエンドレスに響くと思われます。

作家の方は、チェンバロ製作の現場や、演奏される曲を、
どれだけ勉強されたことでしょう・・・
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by cembalonko | 2007-01-23 23:43 | 日々のいろいろ | Comments(0)