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神様が用意してくれた指定席

興奮冷めやらぬ、管理人でございます~
いまだに、ファンダンゴのリズムに、血が騒いでおりまする~~~

ニコラウ・デ・フィゲイレドのチェンバロリサイタルに行ってきました。

私はいつも、行きたい演奏会に気が付くのが、遅ーいっ!
前回のレオンハルトや、モルテンセン聞き損ったし。(失格です)
今回も、彼が、目白バ・ロック音楽祭に出演することは知っていて、
あーチケット・・・と思いつつ、気が付いたのが昨日の夜!
今朝、あわてて主催者に電話をすると、当日券の自由席は少ないとのこと。
ちょっと高いけれど、しょうがない。
指定席を覚悟で、開演一時間前を目指して、会場に向かいました。

会場に着いたのは、午後6時10分。
すでに、当日券待ちの人が数人、並んでいるようでした。
その列に向かおうとすると、一人の女性に声をかけられました。
女性「発売当日に買った、いい席なんですけれど、都合で行けなくなって・・・」
ビ♪「へー。どの辺の席ですか?」
女性「一番前なんです」

・・・一番前か・・・音響はどうなんだろう・・・
第一、一番前なんてこっ恥ずかしいなぁ・・・と思いつつ、
当日券で残っている席で、いい席にあたる可能性も少ないか、と思って、
その方から譲っていただくことにしました。

会場に入ると、私の席は、
最前列、しかも、中央通路のすぐ左側!
演奏者から誰よりも、近い席ということです。
ニコラウさんの香水まで香ってくる席。

そして、今日の演奏といったら・・・
すみません、私は音楽を言葉にするのは苦手です。
体中から、音楽があふれすぎて、
ときどき、チェンバロからもはみ出てしまって、
顔の表情、体の表情、足の動き、息遣い、鼻歌、めがねを拭く、汗も拭く、
それでも誰にも止められない、音の激流。
かといって、チェンバロを叩きつける音は、ほとんど聞こえず、
リズムはすべて、ニコラウさんの血そのものだったように思います。

あれだけ自在に、リズムとチェンバロの響きを操れる人って・・・
「人間業じゃない」のではなく、
人間にしか出来ない、
音楽への愛にあふれていた演奏でした。

今夜、この演奏を、
自分じゃ多分買わなかった、一番前の席で、
ニコラウさんの表情も、息遣いも、汗も、
全てを、目の前で感じられた、幸福感。
会場に着くのが少し遅れたのも、
きっと、この席を譲ってもらうチャンスを
神様がくれたのだと思います。

帰り道、目白駅まで行く間、目頭が熱くなっていました。
ヨーカドーで明日の買い物をしている間も、
アンコールのソレル「ファンダンゴ」は、鳴り続けていました。
そして今も、まだ。


※チケットを譲っていただいた方、本当にありがとうございました。
譲っていただく時、ケチ主婦根性丸出しで、
「え?定価払うんですか?」と目で訴えたのは 内緒にしてください。 m(__)m

by cembalonko | 2007-06-13 23:24 | 音楽 | Comments(2)

Commented by mumbling-miau at 2007-06-14 09:00
気付いたのが前日で良かったね~!私なんて一週間、時には一月過ぎてから壁のチラシ(カレンダー近くにまとめてある)に気付いてがっくり、てなことしょっちゅうだもん。
ところで、コンサートで知らない方にチケットを譲っていただいたことも、お譲りしたことも何度かありますが、お金のやりとりしたことないなぁ・・・という、私の方が非常識なのかしら。
Commented by ビケ♪ at 2007-06-14 23:19 x
今回は、本当に気が付いて、良かったでした。
チケット、譲ってもらう方としては、演奏を聴けるメリットがある訳だし、
譲る方としては、何千円をごみにしなくても済む、というメリットがある。
私は、知らない人とか、特に親しくない人に対しては、
定価からちょっと引いたくらいが相場かな?と思っています。
お友達とか、お世話になっている人、親類縁者は別。
価値観は、人それぞれでしょうね。