カテゴリ:知的好奇心( 26 )

ある侍女の回想録

ゾフィー王女様は、それは聡明な御方でした。f0018790_22353636.jpg
私はゾフィー様がお生まれになり、ツェルプストのお城にいらした時から、
お部屋係としてお仕えしておりました。
王女様の学才は、フランスからいらしたご教育係の
マドモアゼル・カルデルも舌を巻くほど。
フランス語の詩を流暢にお読みになり、
ご自身でもお作りになるほどでしたが、
王女様はどちらかというと、歴史や政治のお話の方に、
ご熱心でいらっしゃいました。
乗馬もとてもお上手で。
宮廷楽長のファッシュ様はいつも、
「ゾフィー様がもう少しクラヴィーアのお稽古に
時間を割いてくだされば、
ブリリアントな弾き手になられますものを…」と
嘆いていらっしゃいました。
でもゾフィー様、ロシアにいらしてから、
オペラの台本もお書きになっていらっしゃるのですよ。
ペテルブルクの楽長フォーミン先生が曲を付けてくださったそうです。
もっとも、このオペラがあまり人気が出なかったのは、
ゾフィー様の台本が良くなかったのだ、などと後世の人は言っているそうですが、
ゾフィー様にとっては、さぞかし心外なことでしょうね。

…ついついおしゃべりが長くなってしまいました。
私は、嬉しいのでございます。
あの、色白で華奢だったゾフィー様が、ロシアみたいな大国を束ねられるようになって、
このような見事な絵画を収集されて。
ゾフィー様の見識の高さは、ヨーロッパの列強を唸らせるのに充分なものだったと推察いたします。
ただ…この東の国での閲覧会に際しては、
私たちの故郷ツェルプストの名前がどこにも紹介されておりませんの。
「ドイツの中小領邦」なんて、ちょっと失礼ではありませんこと?

f0018790_22374311.jpgゾフィー様がロシアでエカチェリーナ2世となられてから、
さぞかしご苦労も多かったことでしょう。
娘を遠くへお嫁に出した母の気持ちは誰も同じ。
母君のヨハンナ様が半年とおかずに
お手紙をお送りになっていたお心、痛いほど分かります。
でもそれが、プロイセンからロシアと密通しようとした
スパイ活動と疑われようとは…

ツェルプスト=アンハルトはなくなってしまいましたが、
貫録のあるエカチェリーナ2世としてのお姿よりも、
ツェルプストのお城の隣の乗馬練習場で
お上手に馬を操っていたゾフィーさまのことを、
お部屋係の私はずっと覚えておりますよ。


(この記事はフィクションです。大エルミタージュ美術館展に行ってきました、のご報告でした!)
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by cembalonko | 2017-06-06 22:46 | 知的好奇心 | Comments(1)

「スメタナ《わが祖国》とミュシャ《スラヴ叙事詩》」の公開講座

今日は、加藤浩子先生の
「スメタナ《わが祖国》とミュシャ(ムハ)《スラヴ叙事詩》」の講座に行って参りました。
ミュシャ(チェコ語名ムハ)が、
ボストン交響楽団が演奏するスメタナの《わが祖国》を聴いたことが、
連作絵画《スラヴ叙事詩》の構想を後押しした経緯が分かりました。 

しかし、時代は移り、民族主義が盛り上がっていた時期に
《わが祖国》が熱狂的に受け入れられたほどには、
《スラヴ叙事詩》は人々に受け入れられず、
1963年まで人目に触れることなく田舎町に眠り、
プラハに展示されるようになったのはたった5年前とのことです。

なにせ古楽の人になってから、19世紀後半の超有名曲を改めて聴こう、
なんていうことから遠ざかっていましたが、
そんなのもったいなーい!!!と心から思った次第。
講座では一部しか聴かなかった《わが祖国》を、全部聴きたくなりました。

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ミュシャとスメタナについては、先生の最新のご著書
『音楽で楽しむ名画』(平凡社新書)にも出ています。
この文庫本サイズのご本は、音楽と絵画、または音楽家と画家の関係について、
さまざまな時代からのエピソードがまとめられており、
各単元が短いのがうれしいです。
でも、各単元ごとにカラーの絵画作品が3~4例、時には7例も掲載されていて、
単元が短い分、情報量は多いです。
夕べも一気に半分くらい読んでしまって、
寝不足でコンタクトレンズも入れられない有様に・・・(笑)

今日の私は、といいますと・・・
憧れの著者の先生と初めて直接お目にかかれて、すっかり舞い上がっておりました・・・
加藤浩子先生の『バッハへの旅』みたいな本を書きたくて、『古楽でめぐる…』が生まれたのです。
ご著書にサインいただいて目が(♡v♡)ハート♪
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by cembalonko | 2017-03-28 00:52 | 知的好奇心 | Comments(0)

つくれぽ<牛肉のワイン煮>(1745年のレシピより)

今月のメルマガでご紹介した「ライプツィヒの料理本」レシピで、実際に作ってみました!
メルマガに掲載した記事は、単純にドイツ語を訳したものでしたが、
実際に作ってみると、もしかしたら言葉の解釈が違っていたかも!?という事例を発見。
次号で訂正いたします。
皆様の中でも、作ってみられて「これは?」と思われることが
出てきた方がいらっしゃいましたら、ぜひお知らせくださいませ。m(__)m

つくれぽ<牛肉のワイン煮>Rindfleisch mit Wein zu kochen

1.Nimm ein Stück Ober-Schale oder Brustkern, so wohl auch Ziemen, lege es eine Nacht in Wein,
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☆今回は牛の腿肉を使い、レシピ通りちゃんと赤ワインに漬けて一晩寝かせました!
赤ワインは、今回は実験なので、とりあえず一瓶400円くらいので(笑)
いいワインを使えば、それはもっと美味しくできることでしょう・・・

2.setze es frühe mit dem Weine zu und ein wenig Wasser, laß es kochen bis es weich und fest eingekocht, thue bey Zeiten darzu Lorbeer-Blätter, gestossene Nelcken, Cardemomen, Muscatenblumen(※1), eine Citrone geschnitten in halbe Viertheil lang.
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☆スパイスの分量ですが、書いてないし~ 汗;
カルダモンとクローブは、かなり香りが強いものとの認識があり、
一方ナツメグは、現代人にも慣れた香りだと思ったので、
カルダモンとクローブを一振りずつ、ナツメグを二振りくらい(アバウト!)でやってみました。
スパイスを投入したばかりの時には、妙~な香りがして、「大丈夫か!?」と思いましたが、
だんだんなじんでくるようです。
(※1Muscatenblumenとは、実はメースのことなのですが、ナツメグで代用)

3.Wenn denn das Fleisch gut, so lege es in einen Tiegel, gieß von der Brühe(※2) darauf, so viel nöthig,
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だいぶ煮詰まってきた状態

☆煮詰まった状態の煮汁を味見してみましたら、レモンの酸っぱさがあり、
さらにレモンの皮の苦みの方を強く感じました。
「レモンの皮の分量を減らした方が良かったのかな?」と思いましたが、
お肉にソースとしてかける分量にすると、バランスの取れたお味に!
(※2 Brüheをメルマガでは「ブイヨン」と訳しましたが、
実際には煮込んだ汁のことを指していたようでした。)

4.brenne Mehl trocken fein gelbicht(※3), thue es auch zu dem Fleisch, laß es ein wenig miteinander aufkochen,
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☆小麦粉をフライパンで煎る。
(※3 fein gelbichtをメルマガでは「きつね色に煎った小麦粉」と訳しましたが、実際には言葉通り、
「きれいに黄色味がかった」で良かったのでした。つまり、煮汁にとろみがつけられればOK。)

5.richte es dann an, giesse die Brühe darüber, lege die Lorbeer-Blätter und Citronen oben auf das Fleisch, und frische Citronen mit Lorbeer-Blättern auf den Rand.
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☆「レモンとローレルを肉の上にのせ、周りを生のレモンとローレルで飾る」
って書いてあったから、その通りにしてみました。
本当は大皿盛りにするのでしょうが、とりあえず一人分で。

煮込み時間は、約2時間。
レモンの酸味と苦みが効いたソースがお肉と合います。
冷めても美味しくいただけます。
漢方薬にも使われているスパイスのお陰か、
消化が促進されるような気が・・・
あと、塩分は使っていませんが、喉が渇く感じになりました。
そのお陰で、ワインやビールがすすむのでしょうね~♪

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

料理し終わってしばらくして、
他の部屋からキッチンとつながっている居間に入ってきたところ、
スパイスとワインとレモンの香りが熟成された、
なんとも幸せな香りが漂っていました。

18世紀前半、人々の日常生活の空間には、
中世ほどではないにしても、
普通に、ある種の「臭気」が漂っていたものと思われます。
そんな中、調理をすること(特別な機会のご馳走料理ならなおさら)によって、
その料理自体を味わう以外にも、
きっと非日常的な、幸福感が漂う空間が作り出されていたのではないかと思いました。

以上、18世紀の<牛肉のワイン煮>つくれぼでした~\(^o^)/



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by cembalonko | 2017-03-24 12:31 | 知的好奇心 | Comments(0)

18世紀のドイツ料理のレシピ本

そんなことしている暇があったらやらなければならないことは山積みなのですが、
18世紀前半にライプツィヒで出版され、
5刷を重ねたという料理のレシピ本を訳しちゃったりしてます。
これが、むちゃ面白いです!
庶民の料理がエンターテイメントになりつつあるのがよくわかる。
ライプツィヒみたいな大都市など、豊かな市民層がしっかりいた所では、
こうしたレシピ本に需要があったのでしょう。

この本の魅力は、
1.使っている材料の種類の多さ(牛、鳩、蛙、鱒、蝸牛、蝦、柘榴、各種ハーブ類、などなど・・・)
2.盛り付け方が懇切丁寧に細かく指示してあるところ(ドイツ人っぽい!)
そして、3.読み物としても面白い ってところかな?
「栓を開けたはいいけど半分残っちゃったワインをどうするか」
なーんてことまで書いてあるのです。
うーん、内容ぜんぶ発表しちゃいたい気持ちはありつつも、
今回はもったいないからとっておこう!(意地悪👿)
5月28日(日)「ケーテンのバッハと宮廷音楽」のイベントのときに何かの形にするかも~~~♪♪♪
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by cembalonko | 2017-03-10 00:28 | 知的好奇心 | Comments(0)

<受胎告知>の見方 ー 完全受け売りヴァージョン!

もう2週間前のことですが、国立新美術館 「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」に行ってきました。
その日は運よく、展覧会の監修者・越川倫明教授の講演を聴くことができたのですが、
なかでも特に、これからの美術鑑賞の役に立ちそうだったのが
「受胎告知の見方」でしたので、ご紹介します。

受胎告知の主題は、新約聖書のルカによる福音書第1章第26節から第38節 に書かれている、
乙女マリアのもとに天使ガブリエルが突然現れて、神の子を身籠ることを伝える場面です。
越川先生いわく「天使が17・8歳の女の子にむかって
『あなた、もうすぐ妊娠するわよ!』と言いにくるわけです・・・」
非常に分かりやすい!イメージ沸く!(笑)

このルカによる福音書の記述の中には、
マリアの中に起こる4つの異なった感情が現れます。
1.恐れ 2.戸惑い 3.疑問 4.服従(神の御業に対しての)
「受胎告知」を鑑賞する場合には、この4つの感情のうち、
どれにフォーカスして描かれたかを見ると、
画家の意図や表現の技術が、よりよく分かる、とのことでした。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

さて、この講演全体の内容は、
今回の展示の目玉でもあるティツィアーノ後期の作品「受胎告知」について(カタログ番号20)でした。

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講演は次の5項目にそって進められました。

1.線的様式(linear)と絵画的様式(painterly)
  ※レオナルド・ダ・ヴィンチはlinear、ティツィアーノはpainerly
2.ヴェネツィア派の技法の展開
  ※・1470年代の油絵技法の導入・下絵から自由に変更して描く・緻密な描写から荒い筆触へ
3.ティツィアーノ晩年様式の同時代人の評価
  ※ヴァザーリはじめ、おおむね批判的
   (筆触が見えるものは完成しているとみなされなかった)
4.受胎告知の主題と表現の伝統  
5.再びティツィアーノ「受胎告知」を見る

ティツィアーノの「受胎告知」には、他にも興味深いお話がありました。
この絵でマリアと天使のポーズを見ると、マリアは右手を上げ、頭にかけたベールをあげています。
一方、天使は胸の前で両腕を交差させて合わせています。

この絵から遡ること30年(?記憶が曖昧)ほど前に、
スペイン宮廷のために、彼が同じ主題で書いた絵がありました。
(原画は散逸、その絵をもとにした版画が現存)
その絵の場合、構図はほぼ同じなのですが、
天使とマリアのポーズが入れ替わっているとのことです。
天使は腕を上げて、高らかに神の御業を伝え、
マリアは胸の前で腕を合せている。
マリアが胸の前で腕を合せた場合、
これは「服従」の感情を表している、とのことです。

さて、今回展示されている「受胎告知」をX線投影したところ、
この絵も、もともとは天使は腕を上げ、
マリアは胸の前で腕を合せる、というポーズで描かれていました。
ところが、製作途中でティツィアーノはこのポーズを変更し、
マリアが腕を上げ天使が腕を組むポーズに描き直したということです。

その意図は、どこにあったのでしょうか。
恐れ・戸惑いが起こる前の「はっ」とした一瞬を描きたかったのか・・・
天使の言葉を傾聴して自身の運命を受け入れつつある瞬間を描きたかったのか・・・
越川先生いわく、「右側の書架に向かって本を読んでいたマリアが
左側に振り向いた瞬間であり、
日常から非現実の世界へといざなわれる瞬間」とのことでした。
見る人それぞれの感性をかきたてられる作品です。

この「受胎告知」に会えるのは、東京では10月10日までです。



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by cembalonko | 2016-09-03 23:22 | 知的好奇心 | Comments(1)

ポンピドゥー・センター傑作展に行ってきました!

水曜日、酷暑の上野へ・・・

この展覧会は、パリにあるモダンアートの殿堂・
ポンピドゥー・センターの収蔵作品が、
1906年から1977年まで、年を追って一年に一作品ずつを
選んで展示するという方法がとられていました。(計71作品)
ピカソ、マチス、シャガールなどの巨匠の作品とともに、
そこまでビッグネームではないアーティストの作品も。
4分の3世紀の中での、フランス前衛芸術の流れを
おおまかにとらえることが出来る、
見ごたえのある展覧会。
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左からシャガール、ボッチチェリ(紛れこんだ映画『メディチ家の至宝』のチケット(笑))
カンディンスキー、ヴァザルリ、マチス、ピカソ

個人的には、上記の3人の他に、

セラフィーヌ・ルイ《楽園の樹》(1929年)
・・・正式に絵画の勉強をしていないのに、力強い造形と色彩が印象的。
幹に茂った大きな葉に水玉模様が!勝手に草間彌生と命名(笑)
ヴィクトル・ヴァザルリ《アーニー(影)》(1967年)
・・・ただ□や○の中に、隣と微妙に違う色を塗っているだけなのに、
ホログラムのように見える驚き!
ヴァシリー・カンディンスキー《30》(1937年)
・・・白と黒の市松模様に並ぶ30個の正方形の中に、象形文字のような、
記号のような不思議な造形が並ぶ。じーっと見入ってしまう作品

などが、特に印象に残りました。

私にとっては、知らない人ばかりの印象でしたが、
フランス近代美術の層の厚さを感じさせてくれる、
珠玉の作品がそろった展覧会でした。楽しかった!

★★★今日の奇跡★★★
展示作品の絵ハガキを5枚買った人は一枚、
くじを引いて一枚シールをもらえることになっていました。
絵ハガキコーナーに草間彌生セラフィーヌ・ルイがなく、残念に思っていたのですが、
くじの箱に手を入れて引き当てた、その一枚は・・・・・・
私が欲しかった草間彌生セラフィーヌ!キター!!!
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水玉はあまりよく見えないけど

展覧会については、こちらのプログに詳しく出ています。
公式サイトはこちら

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by cembalonko | 2016-08-12 22:52 | 知的好奇心 | Comments(1)

原美術館「東京尾行」に行ってきました!

今日は、東京・品川の現代美術館 原美術館 へ行ってきました。
佐藤雅晴氏の「東京尾行」という、映像作品を中心とした展覧会。
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図録の表紙

実写した映像の全部(または一部)を
動画のコマ数と同じ一秒間に24枚、
忠実にトレース(元の画像を忠実に再現して「描く」)し、
動画を再構成するという作品。
ただ写真を何千枚も「描き写す」ことに意味があるのか?と思いがちですが、
キュレーターさんのお話によると、それはアーティストにとって
「映し出されたものを自分の中に取り込み、よりよく理解するための作業」とのこと。
(ある人の描いた絵を良く知るために忠実に模写するのと同じ)

実際に作品を見ると、実写のように見えても、
何となく違和感、というかズレ感があるのです。
この虚実が交錯した空間は、居心地がいいのか悪いのか・・・
百聞は一見に如かず!5月8日までの展示なので、ぜひ行ってみてください♪
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図録より 静止画だと不可思議さがわからないのですが

このトレースという作業、実は演奏家は、いつもやっていることなんですよね。
私たちは楽譜から、必死こいて作曲家の意図した音を忠実に再現しようとします。
佐藤氏が何千枚を描くように、何千回も音を出してみます。
私たちにとって幸いなのは、作曲家が本当に求めた音は決して分からない、ってこと。
だけど、今回の展示の、「実」に「虚」が入り組む奇妙さを見て・・・
「あー、私達の演奏も、作曲家の目から見たらこんな風になっているのかも・・・」

ちょっぴり身につまされたい演奏家の方にもオススメの展示会!
(変なオススメの仕方ですみません!)
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原美術館 庭園には常設展示も
♪ ♪ ♪ ♪ ♪

実は原美術館のキュレーターのMさんとは、
10年来のお知り合いでしたが、
今日初めて、美術館を訪れることができました!
彼女から伺った、キュレーターのお仕事とは、
日頃から常に各地で行われる展覧会などを巡り、
紹介したいアーティストを探すところから始まり、
アーティストとの交渉、広報活動、展示方法など
数知れぬ細やかな作業による、一年以上の準備期間をかけて
展覧会を実現させることだそうです。

長文すみませんでした!

===以下、興味がつのって見つけてしまったWeb一覧===

佐藤雅晴氏のWebSite

キュレーターMさんとのメールインタビュー
その1 http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/jUI9zJqiGl3ga0mXOL2f
その2 http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/4kjRs9UfmGoBctgCFEbl
その3 http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/biEGz7OMf3JndlwD8pac/

ダテマキ(佐藤氏の作品)
https://www.youtube.com/watch?v=hM0gEp6YjBg

ダテマキと尾行について(佐藤氏の作品についての解説)
http://artbookwho.com/modules/wordpress/index.php?p=68

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by cembalonko | 2016-04-26 23:41 | 知的好奇心 | Comments(0)

松井冬子展に行ってきました

ご無沙汰しました。
知人のコンサートに行った折、横浜美術館の
松井冬子展 世界中の子と友達になれる」に寄ってみました。

私、日本画って結構好きなんです。
失敗が許されない(らしい?)厳しさが、
線の潔さとか、濁りのない色使いとかに表れているような気がして。

さて、この展覧会は、かなり衝撃的なものでした。
「自殺」「狂気」「幽霊」「ナルシシズム」などのテーマで、
そこに描かれるものは、
切り裂かれた肉体から子宮を見せびらかす女性の姿や、
髪の毛、死に行くものの姿、異形のものたち、などなど。

展示では、作家が長い時間をかけて
徹底的になされた緻密なデッサンや、
構成を何度もやり直して下絵を作った過程なども見られて、
松井冬子さんの技術の高さや
描く素材への真摯な向き合い方が、
素人の目から見てもよく分かりました。

でも、一つ気になったことが・・・

それは、「言葉が邪魔する」ってことでした。

展示された絵には、細かく解説が付けられていて、
松井冬子さん自身が書いたものも多くありました。
彼女が、どのような思いで、
どのような思想・どのような主張・どのような感情を込めて
その絵を描いたのか。

私はそれを、画家自身の言葉で説明されてしまう前に
「絵」そのものの力で、自分自身の心で受け止めたかった、と感じました。
その絵を通して、画家が主張したかったことが「ある」のは事実だけれど、
絵から受け取るものが、見る人一人ひとり違うこともあり得る。
見ている人のその時の状況によっても変わり得る。
それでも、否応なく伝わっていくものが、図像の力であり、
絵画にしか伝えられないものであり、
私はそれを、言葉を重ねることでコントロールしないで!
と感じてしまったんですね。

なぜなら、描かれた「痛み」に凄く、共感できたから。
言葉にできない「共感」の震え・・・
これを、作者の言葉の中にも見て「ああ、やっぱりね」と思ってしまうのが、
もったいないなぁ、って思って・・・

=====

この展覧会を企画した美術館サイドは、
描かれているものにお墨付きを与えるために、
説明しなければならなかった面もあるかもしれません。
「この絵には人間の内臓とか女性器とか屍体とか描かれていますけど、
鑑賞して大丈夫なんです。芸術ですから。」ってね。

でも・・・
お友達の作曲家でエロギタリストの友人が、
前に似たようなことを書いていたのですが、
何が芸術で、何がポルノやエログロかを見極める位の感性は、
自分で磨かなきゃ。
これは学校で習えることでも、本を沢山読むことでもなく、
絶対に本物に触れることでしか培われないと思うのです。
とはいっても、私も専門家の意見(=オススメや説明)を参考にすることはあります。
でも、実際に何をどう感じるのかは、自分の中でしか生まれない。
それは、他の誰とも違うものかもしれなくて、
言葉によって共有できないものかもしれない。

だから、自分で体験して、自分の感覚の質や量(?)を
増やしていかなくちゃいけないと思うのです。
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by cembalonko | 2012-02-08 13:03 | 知的好奇心 | Comments(4)

古武術から西洋文化が探れるかも?

ご無沙汰いたしました!
書きたいこともたくさんある中、
更新の時間と心の余裕がなかなか持てず・・・ 
でも、とりあえず元気です!

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

昨日、柔術の稽古に行ってきました。
師範と師範代はお見えにならず、
講義がなかった分、がっつり動きました!
Tシャツから道着にまで汗が染みてきました。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

昨日の稽古の中で、
足の置き方について、助教の先輩からお話がありました。
柔術では、両足は平行か内向き(つま先側の幅を狭くする)に置くのが基本。
外向きにすると「気」が漏れてしまうのだそうです。

それを聞いた時、ふと、こんなことを思いました・・・

バレエのポジション(足の置き方)って、全て足が外向きですよね?
それはもともと、ルイ14世時代の宮廷舞踏からきており、
さらに遡ると、フェンシングの足のポジションがその源流なのだそうなのです。
    (これは、オーストラリア人のバレエダンサーから聞いた話で、
    ちゃんとソースを確認していません(^^ゞのであしからず・・・)


そしてルイ14世は、有名な肖像画の中で、
宮廷舞踏の第4ポジションで、優雅に威厳をもって立っています。

しかし、これらの足のポジションは、
柔術の身体運用法からみると、「気」がダダ漏れ状態・・・

柔術では、気力(エネルギー)を内に秘めて充実させるのがGoodな訳ですが、
では西洋では、気力(エネルギー)を常に発散させているのがGoodなのだろうか?

・・・ここで、ひらめいちゃったんです。
身体運用法の違いから、文化の本質を何か、見つけられないかな???って。
東洋と西洋、仏教・神道とキリスト教、島国と大陸。
思想や芸術の中でも、もっと身体と結びついたところに、
その本質を探るヒントがあるのでは?

もちろん、私の習得しようとしている身体運用法が、
全ての東洋文化にあてはまる訳ではないかもしれないけど、
東洋的な「気」の概念から、ダンスやスポーツや
パフォーミングアートを探っていける可能性も あるんじゃないかなー・・・
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by cembalonko | 2011-11-14 00:40 | 知的好奇心 | Comments(0)

佐藤章夫 テラコッタ&線画展

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日野市中央公民館の講座やコンサートを企画していらっしゃる
アーティスト、佐藤章夫さんの個展に行ってきました。

トルソ(人間の胴体)だけで、いろんなドラマを語らせている、
力強い作品群でした。

誰もが、自分とは全く違う世界を見ている。
アーティストの個展を見る楽しみは、
それを再確認することかもしれません。
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by cembalonko | 2011-10-11 23:36 | 知的好奇心 | Comments(0)